本日は、ADV・ノベルゲームのコンテストティラノゲームフェス2017において最優秀賞に輝いた「積層のAestivum」を特集する。
ちなみに筆者はプレイしてエンディングの後、圧倒されてタイトル画面で30分ほど過ごしてしまったのです。プレイ時間は4時間ほどなので、比較的気軽に遊べるはずだ。
素敵な物語を是非体験してほしい。
本記事では、その魅力を伝えるため思い切って中盤まで紹介している。さらに記事の最後では作者様にインタビューも実施させていただいたので、ぜひ、ゲームプレイとあわせて楽しんでもらいたい。
雪の世界、様々な舞台で繰り広げられる、切なくも悲しい想いの交差。
クリスマスの冬、ある少年と少女たちの最も長い一夜。
これは、たった一人の願いが繋がり、紡がれたほんの小さな奇跡の物語。
物語は雪深い森の中からはじまる
ふと、意識が戻ると、つめたい雪の上。
…はて、なんでこんなところに僕一人でいるんだろう。
記憶が曖昧な少年(里柊)、なぜ、こんな森のなかでいるのか、思い出せない。とりあえず森の中を歩いていくことにした。
しばらく、あてもなく歩いていくと突然目の前に映ったのは
女性(愛夏)が倒れているのを見つける。
近くの山小屋で暖を取り、何故雪の中にいたのか、よくわからないまま、記憶から紡ぎ出した「新樹町」へと2人は協力して向かうことになる。
小さな手がかりを頼りに、協力して雪の森を進んでいく。
そして2人は、、、
「…やっと、戻ってこれた」
新樹街。
里柊「あ、ここ僕の町だ。昔ここに住んでたんた、僕」
徐々に思い出される記憶。街に戻ることに気が進まない里柊。
街を歩いていると、様子がおかしいことに気づき始める。。。。
人の営みの痕跡はあるのに、人の気配がまるでない。
そう、雪山で目が覚めて、やっとの思いで街にもどってきたら 2人以外、誰もいない街。
この街で何がおこっているのか
協力して探索していく
そんな中、里柊の様子に変化が。
里柊「ひとつ、行きたいところがあるんだ」
細い路地を進むと、古い家があらわれる。
愛夏「…ここが里柊くんの行きたかったところ?」
里柊「そうだよ、、、」
里柊「愛夏さんがここを通ったとき、この家があったがどうか、覚えてる?」
愛夏「えっ?え、えっと…」
愛夏「多分、多分だけど…」
愛夏「…ここは、更地だった、と思う…」
物語は驚きの展開と真相を見せる、、そして感動のエンディングへ
ぜひ、続きは、実際にプレイしてみてほしい。素敵な感情の火があなたの中に灯ることを約束したい。
開発者インタビュー
なんと本日は、積層のAestivum作者さまにインタビューに答えていただけたぞ。制作のコツや見どころなども教えていただいたので、必見だぞ。
本作を作るにあたっての一番のきっかけらしいきっかけですね。
4年前の2014年に、「Re;member」なるRPGツクール製のフリーゲームを制作し、公開しておりまして。そちらを作るにあたっても、まったく同じ理由で作ってたと思います。
ついでに言うと、本作を作った後もまたすぐに新しい作品の制作に取り掛かっています。
こんな感じで今後もずっとゲーム作っていくんじゃないかなーって思ってます。(笑)
やっぱり、物語終盤でしょうか。
空打ちにならないよう、それまでの内容もギッチリ詰めたつもりです。
フィクションとはいえ、そこにいるのは本当に生きたキャラクターだということをプレイヤーに伝えたかったんです。
プレイヤーがキャラクターを理解できないと、本当に伝えたいものも伝えられないと考えて、そこは譲らなかったですね。
キャラ重要ですよホント(フンスフンス)
そして、BGMも外せません!
こちらは様々なサウンドクリエーターさんが作ってくださった曲なのですが、どれも作品にマッチした素晴らしい曲に仕上げていただけました。
それらが無ければ、本作の各シーンがああも息づくことはなかったでしょう。
ぜひお聴きくださいませ!
二人のあの距離感が好きなんです。
ふだんつっけんどんなあの子がチラッと見せる取り乱したところ、いいだろう?(バリトンボイス)
時間さえあればあの二人のIFストーリーでも作って見せますぜ!
お気に入りキャラは、例のあの子です。
いざ作り終えるとまさに僕の理想のツンデレヒロインになってました。話がハードでネタにし辛いのが少々やっちゃった感ありますけどね……。
みんなもっと愛でていいですよ! 僕が許す!
BGMを除いた作業は、すべて個人での制作でした。
今は時間がだだ余っている身分なので、作品作りに没頭していましたね。
工夫らしい工夫は特にないですね。とにかく作りたいものを作るだけで。結構ゆっくりペースでしたけどね(笑)
ただ、自分が完成させられるという確信を得るのは大事だと思いましたね。
出来るかどうかわからないものを作り続けるのはとてもモチベーションが保たないなあと。
また、自分の作りたいものが、作品の終盤に集まっていたというのも、モチベーションを湧きだたせる大きな要因だったと思いますね。
逆に言えば、開発初期はやること成すことみんな新鮮でとても楽しいですよ!
苦労も多いですが楽しいことも多いので、ゲーム開発を考えてはいるものの、その大変さにしり込みしてる人は、とにかくチャレンジだ!
ティラノビルダー/スクリプトは本当にとても分かりやすくて開発がサクサク進むぞ!
好きなゲームジャンルやタイトルがあれば、教えてください。
ですが、ゲーム開発をしながら、ゲームプレイ動画等を見ることは多いです。様々な知識を受動的に得ることができるので、とても重宝しています。
最近のものでいうと、ドラゴンクエスト11や、NieR:Automata、そして海外のタイトルですが、Undertaleというインディーズゲームがとても印象深かったですね。
これらのタイトルをご存知の上で本作をプレイされた方々には、その片鱗が見え隠れしていたのではないでしょうか?
ちなみにシューティングゲームも好きですが、自分ではなかなかうまくプレイできません(笑)
国内を代表するビジュアルノベルを発表しているブランド。
代表作は 「Kanon」 「Air」 「CLANNAD」 「リトルバスターズ!」など
例えば、前作ではフリーホラーゲームというジャンルで、本作はビジュアルサウンドノベルゲーム、そして現在制作中のゲームはアクションRPGと、割と多岐にわたります。
同人、もといインディーズゲームというのは、多様なゲームジャンルが許容される世界なので。
初めてあれを見たとき、あそこまでキャラクターが生き生きとしてるのにとても驚きましたね。
モーションキャプチャの技術も反映されつつあり、二次元でありながらリアルな挙動ができるようになると考えると、非常に楽しみです。
実は開発当初、本作もLive2Dを導入するかどうかを検討したりもしてました。
ですが、本作の物静かな雰囲気に、キャラクターが生き生きしだす機能を付ける必要があるか再検討し、今作は見送ることになりました。
時代とともに、いろいろ新しい技術は増えていきますけれども、だからと言って、焦って飛びつく必要はないのかなーと思っています。
これらも、やはり取捨選択だと思いますね。
自分の作りたいものに必要なものであれば導入する、で良いんじゃないでしょうか。
まあ僕が新しい技術の勉強をするのが面倒くさいだけかもしれないですけどね(笑)
この世界では様々なものが受け入れられます。
その中で自分だけの光るものを生み出すことが出来ればいいんですよ。
なんでも自由ですから。皆さんもよいゲーム/クリエイト・ライフを!
最後にティラノゲームフェス2017グランプリ受賞について一言!
本当に、本当にありがとうございました!
ゲーム作るすこすこ丸。
開発人数は…だいたい一人!
ヒィィィィィ 孤独だよーーッ
そろそろ今作ってるゲームの途中経過が載るという噂が流れている。