チャットストーリー形式のゲームが簡単に作れるツール「ティラノストーリー」を紹介!

2018年3月にリリースされた新ツール「ティラノストーリー」をご紹介する。

ティラノストーリーを使えば、チャットストーリー形式のゲームを簡単に作ることができる。プレイヤーに親しみや没入感を提供するにはうってつけの形式だ。ぜひ、ティラノストーリーを使ってゲームを作ってみてはいかがだろう。

チャットストーリー形式って?

チャットストーリー形式というのは、ようするに次のような画面構成のことだ。

あかね
チャットストーリー形式というのは?
やまと
ようするにこんな画面構成のことさ。

人物を示すアイコン画像が左右の端に配置され、そこから横向きに飛び出ている吹き出しにメッセージが表示される。これは一般的なチャットアプリに共通する画面形式で、多くの人にとってなじみ深いものだろう。この形式でつづられる物語がチャットストーリーである。

ネットやスマホが普及している現代の世の中では、人々がチャットアプリで会話するシーンは極めて日常的な出来事の一つだ。それを単にノベルゲームで表現するなら、このようなシナリオを書くだけでよい。

_私は彼にスマートフォンでメッセージを送った。
『いまどこにいるの』
_返事はすぐに返ってきた。
『いま駅に着いたところだよ』

しかし紙の小説と違って、ノベルゲームには、自由に使えるゲーム画面がある。せっかくゲーム画面があるなら、そこに実際のチャット画面を作り、リアルタイムで進行させる表現も可能になってくる。これを簡単に実現するのが新ツール「ティラノストーリー」だ!

チャットストーリー形式ならどんな演出ができる?

ゲーム画面上で進行するチャットストーリーは、あまりに日常的な画面であるから、プレイヤーに強い臨場感を覚えさせる。そのため、キャラクター同士のチャットをティラノストーリーで演出することで、キャラクターの掛け合いを生々しく描くことができる。

一方で、その「日常的な画面」を逆手に取った演出も可能だ。たとえば不可思議だったり、非現実的だったりする出来事をチャットストーリー上で起こしてみる。すると、日常と非日常が混ざり合った奇妙な印象をプレイヤーに与えることができる。

これはホラー作品やオカルト作品などでまま見られる手法だ。実は、ティラノストーリーでこの手法を用いた作品もすでに投稿されている。あとで紹介しよう。

もちろん、チャットストーリー形式の演出を必ずしも「チャットアプリでの会話シーン」の演出として使う必要はない。ふつうのシナリオの、幕間のちょっとした会話劇に使っても面白い。

ティラノストーリーの導入方法

ティラノストーリーは、ノベルゲームエンジン「ティラノスクリプト」に組み込むプラグインの一種として開発されている。だから、新たにティラノストーリーを使ってゲームを作りたいと思った人は、まずティラノスクリプトの導入から始めるといい。

また、すでにティラノスクリプトでゲームを作っていて、そこにティラノストーリーを取り入れたいと思った人は、ティラノストーリーをプラグインとして組み込むだけで準備完了だ。あとは所定のタグを書くだけで、チャットストーリー形式のメッセージを出すことができる。

ティラノストーリーのチュートリアルはこちらに用意されているので、ぜひ確認してほしい。

機能あれこれ

ティラノストーリーの特徴的な機能をかいつまんで紹介しよう。

画面の一部にはめ込む

ティラノストーリーでは、はじめからスマートフォンでのプレイを想定した「縦長」のゲーム画面全体にチャットを展開することもできるし、PCゲームで一般的な「横長」のゲーム画面の一部の領域にはめ込む形でチャットを展開することもできる。これは上の画像で見たとおりだ。

画像を出す

メッセージの部分に画像を表示することができる。スタンプ表現や写真の添付表現に使うことができる。

入力中であることを示すアニメーションを表示する

メッセージを表示する前に、若干の時間をかけて、入力中であることを示すアニメーションを表示する機能も実装されている。リアリティが向上すること間違いなし! もちろんアニメーション画像は変更可能だ。

⋯⋯この他にも、余白や吹き出しの背景色など、デザイン面で細かな調整を行うこともできる。気になる人は、ぜひこちらのタグリファレンスをチェックしてみてほしい。

おわりに

以上、ティラノストーリーの魅力をお伝えしてきた。ティラノストーリーは今後、「ティラノビルダー」や「ティラノオンライン」との連携も予定されているので、ぜひ楽しみにしていてほしい。

最後に、ティラノストーリーを使った作品をノベルゲーム投稿サイト「ノベルゲームコレクション」からいくつか紹介する。気になった作品があればすぐに遊んでみよう!

 

私は、電車の中で目を覚ます。
どこへ、何のために向かおうとしていたのか――『私』は、誰なのか。
何もかも忘れてしまった私に、メッセージアプリからの通知が届く。

 

チャット風にストーリーが展開していく短編ノベル。
音楽がなく非常に軽量な作りなので閲覧中のブラウザのままでプレイ推奨です。
通勤、通学中などの暇つぶし等にさくっと楽しんでもらえたら幸いです。

 

「あなたを殺したのは私」超短編チャット風根暗ノベル
親友が自殺した
後悔後先に立たぬ反省チャット室

 

やまと
もうこんなに導入例があるんだ!
あかね
ありがたいね~
あかね
特設サイトには公式のプレイデモがあるからそっちもチェックしてね!